予防歯科
なぜ予防が大切なのでしょうか?
虫歯や歯周病は一度かかってしまうと、いくら良い治療をしたとしても簡単にお口の中を元の健康な状態に戻すことはできません。しかし、しっかりと予防をしていれば、虫歯や歯周病の発症を防ぎ、治療を行う前の状態で止めることができます。そのことが、当院が予防が大事だと考える一番の理由です。年配の方は特に「今さらブラッシング指導なんて」と抵抗を感じられるかもしれませんが、できていると思い込んでいるだけで意外と磨けていない箇所があったりするものです。ブラッシング指導、クリーニング、メンテナンスが当院における予防歯科の一連の流れになっています。
「生涯の治療費が歯で決まる」という考え方
定期的に歯科医院に通っている方は、生涯の総医療費が低くなる傾向があるということが調査でわかっています。例えば認知症を例に挙げると、食べ物をよく噛むことで、頭部の骨や筋肉が動いて血液の循環がよくなり、脳神経が刺激されて脳の働きが活発になります。そのため、歯を大切にしてしっかりと咀嚼することで、認知症の予防や進行抑制に大きな効果が見込めます。また血液中の血糖値が高くなる病気である糖尿病も、まったく別の病気というイメージが強い歯周病と相互に影響を与え合っているということが最近知られてきています。糖尿病の方は歯周病が重症化しやすく、その結果血糖コントロールがうまくいかなくなり、糖尿病が悪化してさらに歯周病が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。認知症や糖尿病以外にも、多くの全身疾患は口内環境と深い関係があることが判明しています。お口の中の環境を安定させておくことが、最終的に全身の健康につながり、一生の間に支払う医療費の軽減に結びつくのです。
かかりつけの歯科医を持つメリット
成人の方が虫歯にかかると、かなり進行してから歯科医院に来られる場合が多くなっています。また、一度治療した歯が再度虫歯になるケースが多数を占めており、かなり悪化した状態で再治療しても、その歯全体が駄目になってしまう場合もあります。その場その場で、虫歯になった時だけ歯科医院に来ている方は、歯の寿命がどんどん短くなり、ブリッジや入れ歯、場合によってはインプラントと、必要な治療も大掛かりなものになっていきます。かかりつけの歯科医院を作って定期的にお口の状態をチェックしていれば、そのような連鎖を防ぐことができます。
歯を失ってしまった後の治療
歯を失った場合の対処法としては「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」「何もしない」の4つが挙げられます。この中で最も避けてほしいのは「何もしない」ことです。歯を抜いてそのまま何もせずにいると、噛みあう側の歯が出てきてしまったり、左右の歯が倒れこんできたりと、残った歯に悪い影響が出てくるためです。「入れ歯」のデメリットは、取り外し式であるために歯ぐきと入れ歯の間に食べたものが挟まってしまうこと、種類によってはバネが見えやすいということがあります。「ブリッジ」のデメリットは、入れ歯と逆で固定式であるために、ブラッシングを徹底しなければ虫歯になりやすいこと、支えとなる左右の歯を大きく削らざるを得ないことです。「インプラント」は、糖尿病、高血圧などの全身的なリスクを持たない方でなければ実施不可能であることと、オペを伴うこと、治療費が高額になることが大きなデメリットです。歯を失った方にはそれぞれの治療法のメリット、デメリットを説明して、どの形を希望されるか選択をしていただきますが、そのような選択をしなければならない状況に陥る前に、しっかりと予防して歯を残すことを心がけることが何よりも大切です。
当院で予防治療を受けていただくメリット
当院では開業当初からPMTC(プロフェッショナルな歯のクリーニング)を実施しています。当時は周囲の歯科医院でもPMTCを受けられるところはほとんどありませんでした。現在では他院でも取り入れられるようになりましたが、PMTCの機器の先端部分については消毒して使用している医院がまだまだ多いのが現状です。当院では先端のゴムの中に入り込んだ菌はどれほど念入りに滅菌しても取ることはできないという考えのもと、全てディスポーザブル(使い捨て)にすることを徹底し、衛生面に細かい配慮をしております。予防ルームをご用意して、快適な環境でクリーニングを受けていただける点もご好評頂いております。
就寝前の歯磨きは特に丁寧に
予防でもっとも重要になるのはもちろん歯磨きですが、寝る前の歯磨きを特に大切にしていただくことをお願いしています。就寝時は唾液の分泌が減るため、歯周病菌や虫歯菌の活動が活発になります。寝る前にしっかりと歯を磨いておくことで、細菌の増殖を最小限に抑えることができます。そのため、夜の歯磨きは歯の健康を保つために最も重要な歯磨きとなるのです。朝や昼にはお仕事などで時間がなければ、夜だけでも歯間ブラシやフロスも使いながら丁寧に磨くことを強くおすすめします。
小児の予防歯科
「歯が痛い」とお子さんが言うと、保護者の方が本人を連れて来院されます。
そのため、お子さんの歯を治療する場合には、保護者の方にもいろいろお話を聞いたうえで最善の治療を行っていきます。
また、これから成長していくお子さんのために、小学生くらいの年齢であれば、保護者の方だけでなく本人にも正しいブラッシング方法の指導やアドバイ スを行います。
さらに、噛み応えのある食べ物をしっかり噛んで食べることで、高校生くらいまでは顎が広がることをお伝えしています。
顎が広がれば歯並びが 安定し、噛み合わせがよくなるもの。
ひいては、歯の健康につながります。
健康な歯を維持するには、幼少時からのしっかりした予防が重要です。
特に歯の生え変わり時期に当たる6歳~12歳ごろは、将来に向かっての歯並びにはとても重要な時期です。
床矯正であれば対応しています。
就学前後の小さいお子さまの予防歯科
毎日のブラッシングや手入れ方法、歯磨きにどうやって関心を持たせるかなど、お困りのことがあればご相談ください。
小学生以上であれば、本人に正しいブラッシング方法、歯間ブラシやフロスの使い方などの指導やアドバイスを行います。
10代の学生のみなさんへ
どんどん体が成長する10代は、将来の歯の健康のためにも大切なときです。
正しい歯磨き方法のほか、噛み応えのある食べ物をしっかり噛むことで、高校生くらいまでは顎が広がっていきます。
顎が広がれば歯並びが安定し、噛み合わせがよくなります。
ひいては、歯の健康につながるというわけです。
お友達と比べて見て前歯の形などが気になる、食べ物が上手く噛み切れないなど、気がつくことがあれば、おうちの方にお話をしてぜひご相談ください。
お子さまの定期健診について
体質によって虫歯のできやすさが違います。
[1~5歳のお子さま]
4カ月ごとに1回、健診とフッ素の塗施とクリーニング
[乳歯から永久歯に生え変わる時期]
3カ月ごとに1回、健診とフッ素の塗施とクリーニングなどを行っています。
このときに歯並びなども一緒に点検し、生え揃いを観察していきます。
大人だからこその予防歯科
20代のみなさんへ
高齢になれば歯周病が気になってきますが、実はその原因のいくつかは20代の口内トラブルと考えられることも多くあるのです。若年性の歯周病に悩まれている方も以前に比べ増えてきています。
20代のうちからかかりつけの歯科医院を見つけて定期的に歯の検診を受けること、また歯磨き指導を受けて正しい歯磨きを身に付けることがとても重要な年代です。
30代のみなさんへ
30代になると仕事や育児が忙しく、なかなか歯科医院に足を向けられない方が多くなってきます。
当院では、お忙しい方でも気軽に来ていただけるように工夫をしています。
また月・水の午前中は、赤ちゃんや小さいお子さんの相手をする保育スタッフがおります。※他の日時でも事前にご連絡頂ければ対応致しますのでお気軽にご相談ください。
夜8時まで診療(お仕事の帰りに便利)
昼間は午後1時まで、午後は2時30分~8時まで診療(家事・育児の合間に便利)
交通至便な立地
40代~50代のみなさんへ
将来を考え、一般的な身体の変化にも気を配りたくなる時期です。
体力・免疫力の低下がお口の中に及び、予期しない症状が現れる場合があります。
運悪く、何らかのトラブルに見舞われた歯に対しては、当院では自由診療を選択肢のひとつに挙げています。
というのも、歯の神経を残すことを重視しているためです。
歯の神経を残せば歯に栄養が送り続けられ、それだけご自身の歯を維持できるようになります。
人体に馴染みやすいセラミック素材やゴールド素材、アレルギー性物質を出さない新しいバイオメタルを使用した自由診療で健康な歯を維持できます。
60代からの予防歯科
歯は一生使うもの。
健康が保てるということは、ご自身への自信にもなります。
80歳で20本の歯を残す「8020運動」は、大きな目標になると感じています。
当院の定期健診では、義歯の製作・調整や、お口の洗浄(口腔衛生指導)も行っています。
おうちでの日常ケア
健康な歯の維持には、ご自分で行う「おうちケア」も大切です。
‣正しいブラッシング方法
‣歯間ブラシや特殊な歯磨き粉の使い方
‣キシリトールガムを噛むこと(妊娠中の母体がキシリトールを摂取すると、胎児の虫歯予防に効果があることがわかってきました)
以上のようなケアの方法についてアドバイスしています。
毎日の「おうちケア」は定期健診がより効果的になることにつながっています。
歯ブラシについて
歯ブラシは、お口の大きさに合わせて選ぶのが基本です。
磨く歯によって変えるのが理想ですが、最低でも歯間ブラシは用意しましょう。
そして、定期的に交換してください。
小さい頃からおもちゃのように歯ブラシを持たせておくと、まわりや大人を見て真似をして覚えることもあります。
先の丸い安全なタイプなら身近に置いておくのもよい方法です。
当クリニックでもお口のサイズや用途に合わせた歯ブラシを扱っています。
ブラッシングについて
歯の磨き方は、歯の生え方にもよっても変わります。
一般的な磨き方では磨き残しが出る場合もありますので、自分向きのブラッシングを覚えておくことも大切です。
歯ブラシ選びやブラッシング方法については、アドバイス・指導を行わせて頂きますので、お気軽にご相談ください。
歯磨きのポイント
①口の大きさに合わせて、歯ブラシを選ぶ。
②仕上げ磨きを嫌がる子には、染め出し剤(ハミガキ上手等)を使用しご自宅で行うのも効果的です。
③小学生になったら、自分で磨くようにしてください。その後、仕上げ磨きを行ってください。
④小学校の間(最低でも3年~4年生頃まで)は、仕上げ磨きを行ってください。
⑤食べたら磨く習慣を今のうちから身につけましょう。
フッ素
フッ素は、4ヶ月ごとをお勧めしています。
歯の生え変わりの時期になりましたら、3か月ごとをお勧めします。(クリーニングと共に行います。¥1,100となります。)
デンタルフロス・歯間ブラシについて
ご自分に合った正しい使い方をご存知の方は少ないかもしれません。
歯ブラシ同様、歯科衛生士のアドバイスを受けることで磨く効果もアップします。
ご来院時にデンタルフロス、歯間ブラシの使用方法もアドバイスさせて頂きます。
歯磨きと歯の健康に関する予備知識
歯を磨くときにペーストを使う方は多いと思います。
これは必須ではありませんが、爽快感を持ちたいときや、眠気覚ましなどには効果的です。
市販品のほか、歯科医で扱うペーストは機能性の高いものが多く、ご希望の用途に合わったものをご紹介します。
また食生活でも、オーガニック食品や噛み応えのある添加物のない食品を選んで食べることで、虫歯になりにくいともいわれています。
咬み合わせ、良い発育の為に
・食事中の正しい姿勢
・水分をあまり食卓に出さない事(きちんと噛むことが重要)
・一口で食べられない物を一品だし、前歯を使うようにする
・繊維質に富む食材を多く取ること
・15分以上かけて食事をする。だらだら食べずにリズミカルに噛む